照明器具の傘の中にたまってしまう
などの問題についてその原因を某
TV番組で放送していました。
多くの人が、日々悩まされている
「照明器具の中に虫が入る」問題。
徐々にLED照明が普及して改善され
てくるとはいえ、LEDで完全に虫が
来なくなる訳ではないし、この虫た
ちどこから来るのか?は知っておき
たいところ。
その番組中で取り上げられた、大量
の小さな虫に悩まされているそのお
家を調べてみると、
・窓は閉めている
・虫が入ってくる隙間も見当たらな
い・・
そこで、虫の入ってくる様子をカメ
ラで撮影してみると窓(金属サッシ)
のわずかな構造上の隙間から虫が家
に「入っていく」のではなく「吸い
込まれていく」のです。
虫は家の中に入りたくないのに、吸
引されてしまうのです。・・・
その原因は・・・
「換気システム」とその「使い方」
にありました。
住宅の換気には
第1種換気・・給排気ともに機械
によって強制的に行う
第2種換気・・給気のみを機械で
強制的に行う
第3種換気・・排気のみを機会に
より行う
第1種換気は給気に熱交換システ
ムがあることが望ましい,など設置
や電気代などランニングコストも
高くなること、その他の住宅性能
も必要なので、現状は多くの住宅
で第3種換気であることが多いと
思います。
第3種換気は設置コストや電気代
が安い反面、外気の温度がそのま
ま室内に入ってきやすく、寒く感
じるなどの問題もあります。そし
てさっきの「虫」の話ですが、機
械で排気をしているということは
室内の気圧のバランスは「負圧」
になって、自然と「給気」をするこ
とになります。
機械排気に対して吸気口は設けら
れているのですが、そのバランス
を超えて排気をすれば、TVの事例
のお家のようにサッシの隙間から
でも給気する現象が起きてしまいま
す。
TV事例のお家では、ほぼいつもキッ
チンの換気扇をつけて排気をされて
いました。
キッチン換気扇(レンジフード)の
排気風量は他の居室用の換気扇と比
べてとても大きく、5〜6倍はある
と考えられます。大きな力で排気を
することでサッシの隙間まで給気シ
ステムになってしまっていたのです。
また、排気量が大きいということは
熱交換システムを採用しない第3種
換気システムにおいては熱損失も大
きく、
レンジフード の熱損失
(強運転時 600m3/h排気)
でコタツ5個分の熱(年間損失
5000円)が逃げてしまうのです。
家を建てるとき、「換気」のことま
で考えてということは現実的には難
しいのかもしれませんが、「住む」
環境にとって「換気」「温熱」は肌
で感じる過ごしやすさに直結すると
ても大事な要素です。
計画段階でよく打ち合わせ、理解し
て決めていかれることをお勧めして
います。