家づくりにかかわるお仕事をしてきた中で、
一時期「庭」「ランドスケープ」に興味をもって
随分たくさんの植物についてや、その土地々々
の自然の植生についてなどを学んだ時期があり
ます。
人が使う建物を計画すると、当然、人が使いやすい
ように機能性を重視して、外構工事においては「土」
はほとんど覆い隠されてしまいます。
「その土地に自然に生きていた樹々や植物たちを
なぎ倒して「家」をつくるのだから、わずかでも
地球に緑をお返ししなくてはいけない」と、
庭園デザイナーの先生に言われたことを、いつも
心にとめて計画をします。
それでも重量のある車が載る駐車スペースは機能的に
○な資材は限られていて、こんな感じになることが
ほとんど。(土の部分にはグランドカバーを植えます)
植物についてと同時に「土」についても調べます。
自然の植生とその役割、人と自然の共生のかたち、
里山についてなども調べていくうちに、
「こんなに土を覆い隠していいのだろうか?」
という不安感が生まれてきました。
道路はアスファルトで覆われ、都会ではコンクリー
トの建物と地面、水は吸収しない、自然に還るはず
のものもホコリとなって舞っていく・・・
次々と横暴に(自然から見れば)壊されて
いく里山や自然林。
地下水脈を切ってまで超特急の乗り物が
必要?
経済、経済、経済優先・・・優先じゃあなく
経済以外はどうでもいい、という世の中は
やはり大きく偏っているのだと、今回あらた
めて感じている人も多いと思います。
ここでぜひご紹介したい文章
「表土とウィルス」
(ソニーCSLが発行しているメールマガジン
T-pop News No.177 に船橋真俊氏が寄稿)
の一部分をご紹介させて頂きます。
ウィルスというのは自然の中にたくさんいて
人の体にとって有用なものもたくさんある、
その中で、新型コロナウィルスのように、人に
とってとても悪い、困るものが生まれてくる背景
をその中で下記のように書かれている
引用
・・・悪者が生まれないような環境へと状況全体を
シフトすることなのだ。
従って、感染者やその他宿主となる生物との接触を
避け、その他の多様な微生物を育む土壌環境を自らの
免疫の正常化を増進する内堀として、またウイルスを
始めとした様々な病原体に対する吸着・調整作用を
発揮する外堀として配置すること―これが、我々ができ
る範囲で生態学的に最も効果の望める感染症対策である。
このような根本対策が実装可能な生活形態としては、地産
地消かつ環境回復型の食料生産や複数の自然エネルギー源
に支えられ、情報通信技術で繋がった地方分散型の居住形
態があるだろう。
健全な表土と、それを相乗的に支える動植物の循環。
それらを最低限の労力で高水準に保つための感染症や寄生
生物の存在。それらのサイクルとバランスを人間の産業活動
の根幹に取り戻す以外に、根本的な解決策は存在しない。
https://synecoculture.org/blog/?p=2640
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