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建物探訪

大津市役所本庁舎

大津市庁舎
竣工 1967年(本館)
設計 佐藤 武夫
DOCOMOMOセレクション NO.139

建設から50年以上経過したため、
耐震化や免震化、あるいは建替え
などが検討されはじめ、
日本建築学会の近畿支部が保存を求める
要望書を提出され、その整備についての検討
がされているようです。

大津は歴史ある旧都、
国の指定文化財も、京都・奈良に次いで多く、
たくさんの史跡や文化財があります。

DOCOMOMOセレクションにも選定されている
大津市役所。
DOCOMOMO は日本の近代建築の再評価のため
に活動し、取り壊しが予定される近代建築について
の保存活動に取り組んでいます。
(私も会員に入れていただいています)

DOOMOMOセレクション についてご興味の
ある方はぜひDOCOMOMO JAPAN のホーム
ページを一度訪ねてみてください。

日本では貴重な建築物が老朽化やその他、
様々な事情で取り壊されていくことが
多く、「新しく更新すること」が残して大切に
使うことよりも強く奨励されていると感じます。

それは住宅でも同じです。
きちんと建てられた木造建築は少なくとも
2世代は住み継ぐことが可能だと考えますが

新築住宅建設を奨励する動きが強く、
一方での「空き家」問題の解決は進まない
どころか総量で見れば問題はどんどん大きく
なっています。

北欧の建築を見てまわっている間も、
築年数50年クラスの多くの建物が普通に手を
入れられながら大切に使われ続けていて、それら
の建物を残すことで美しい町並み、歴史を感じる
風情を生んでいます。そういう観点からも日本は
大きな損失を出し続けているのでは、と感じます。

地震や災害の多い日本ですから、ハザードマップで
リスクが高い場所に建っている、とか老朽化の程度が
進み過ぎて危険であるとかいう建物まで残すという
ことではなく、個々人の思惑、利益を超えて

「少子高齢化社会のまちづくり」の観点をもって
既存建物の「選別」という仕組みなどがあれば
少し変わるのかもしれません。